ドナルド・オコナー その6 「Call Me MADAM」2007年06月09日 00時35分19秒

call me madam

オコナー、次のミュージカルは二十世紀フォックスで
撮った”Call Me MADAM” (1953)
写真はその中のナンバー "Something to Dance About”
お相手はヴェラ=エレン


”Call Me MADAM”はアーヴィン・バーリンのブロードウェイ・ミュージカル。主演はエセル・マーマン。舞台の当たり役を十五年ぶりの映画でもつとめます。
振付はロバート・オルトン。
 
 社交界の花形が、ヨーロッパの小国「リヒテンブルク」の大使に任命されて赴任。オコナーは随行の報道官。現地でマーマンは高官と、オコナーは王女(ヴェラ=エレン)と恋に落ちますが、政治が絡んで・・・・・・。最後はハッピーエンド。

  宮廷の舞踏会で出会った王女とロマンティックに踊る”It's a Lovely Day Today”。ボールルームダンス風の踊りなので、すでに書いたようにhooferのオコナーには「しどころ」がありません。全体の印象として、主にヴェラ=エレンが踊って、オコナーはそつなく相手を務めているというところです。しかし下手という印象はありません。それどころか脚さばきが確かで、タイミングとテンポをはずさず、ヴェラ=エレンを上手くリードしながら(?)ロマンティックな雰囲気を盛り上げていきます。

 王女との恋に悩んだオコナーが、閉店後の酒場で一人踊る”What Chance Have I With Love”。酔っ払った彼が、やるせない想いを歌いながらテーブルやシロフォンの上に飛び乗り、物を壊し、最後はたくさんの風船をステップに合わせ割っていきます。酔った演技と確かなタップの芸が生きています。 

 王宮と秘密の通路で結ばれた大使館のワイン貯蔵所で、王女と踊る”Something to Dance About”。ときにボールルームダンス風にゆっくりと、ときにタップで軽快に二人が踊ります。癖のない二人のダンスは相性が合うのかもしれません。