ジョーン・マクラッケン その10 「ハリウッド・キャンティーン」2007年07月15日 21時58分59秒

ハリウッド・キャンティーン

”Hollywood Canteen”(1944)の"Ballet in Jive"

 映画自体は、兵士のための接待所”Hollywood Canteen ”に慰問のため訪れるスターを次から次へと見せるのが目的なので、ストーリーはあってないようなものです。
 兵士が訪問した撮影所でたまたま撮影していたという設定で始まるのがこのナンバー(案内する若い頃のジャニス・ペイジがなかなか可愛い)。

 田舎から出てきた女の子がダンスコンテストで踊りまくり、最後は栄冠を手にするといった内容ですが、”Pass That Peace Pipe ”の後で期待して観るとちょっとがっかりさせられます。
 「オクラホマ」で脚光を浴びた「田舎の純朴な女の子の滑稽さ」をさらに誇張して作られたらしいのですが、この短いスカートのいでたちや、ペコちゃんのようにわざと舌を出すしぐさなどを見せられると、「ちょっとどうなのかなー」と考えてしまいます。考えたときからすでに映像にのめりこめません。

 前に書いたように、この人はもともと笑いを身体に内包しているので、さらにコミカルな面を強調すると「笑いの上塗り」になり、くどさについていけなくなります。
 また振付も全体に散漫です。 みなが勝手に踊っている情景をバックに、彼女のダンスを単に中心に据えているだけに見えてしまうのです。”Pass That Peace Pipe”のように、画面で踊る人々の躍動感がそのまま彼女のダンスに集約されていく、集団としてのダイナミズムや流れがありません。

 ところどころに、彼女のハッとするようなテクニックや、腰から下が別の生き物のような身体能力の高さが見られるだけに残念な話です。



 顔の悪口から始めたので、罪滅ぼしに(?)きれいな写真を二枚載せて、彼女の項は終わりにしたいとおもいます。

ジョーン・マクラッケン その112007年07月15日 22時06分07秒

oklahoma

「オクラホマ」の舞台から”The Postcard Girls"

左端がマクラッケン。

上半身に無理な力がかかっておらず、スッキリしていながら腰が十分据わっている。

他の四人とはまったく違います。

ジョーン・マクラッケン その122007年07月15日 22時23分56秒

cover

終わり