ドナルド・オコナー その5 「ジーン・ケリーの影」12007年06月05日 01時17分03秒

make 'em laugh

 ご存知「雨に唄えば」から“Make 'Em Laugh”
ダミー人形相手に照れながらソファの上で両足を組み替えます。
あまりに早いので右足の先がぶれて映っていません。



これから「雨に唄えば」でのオコナーのダンスについて考えていきます。

 はじめに私はオコナーを買っていなかったと書きました。当初そう思った理由のひとつは、コミカルでアクロバティックな動きをできるだけ排した彼の踊りをじっくり見たいにもかかわらず、観ることのできる映像の中にそういったものが少ないこと。さらにその少ないダンスシーンにも本当に満足できる踊りが少ないという印象を持っていたからです。
 今回彼のダンスナンバーを見返して再認識したのは、まあそうは言っても、ダンスシーンはけっこうあるということ。そしてもう一つ。何といっても「雨に唄えば」は、振り付け、撮影、美術も含め、彼のダンスの能力を最高に引き出した映画であることです。彼はその能力をすでにこの作品で十分発揮していたのです。しかしそれに私は気づかなかった。彼のダンスが何か一味足りないとずっと思っていた。なぜか。
 
  この映画でオコナーが踊るのは、「冒頭一連の回想シーン」、「モーゼズ・サポーゼズ」、「グッド・モーニング」、「Make 'Em Laugh」の四場面ですが、「Make 'Em Laugh」以外はジーン・ケリーと一緒です。問題はここにあります。つまりケリーの魅力が、あたかも大きな傘の下で日が翳るように、オコナーの良さを隠してしまうのです。

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